何十年かに一度の大寒波襲来、不要不急の外出は控えて！とのことで、本日お店は臨時休業です。
気温はマイナス、あぁ寒いなぁ吹雪いてるし、あまりの強風に家もガタガタ揺れているし、引きこもらないといけないよ、とうんざりもするのだけれど、冬なのに穏やかで暖かい日が続いてみたらなにか物足りないような、心のどこかでもっと来いや、本気見せてくれよ、みたいな、荒れ狂う海を見るほどに、これでこそ外浦の冬だろうと、どこかで嬉しく、期待している自分もいたり。

昨日は荒れる前の貴重なおひさまぽかぽかのひとときに、狼煙の浜にかじめひろいに行きました。

寄っている藻の中にかじめは沢山落ちているのだけど、なんか硬いしこんなだっけ？
お先に２人ベテランの方々が拾っていたので、これどう？と見せたら、そんなんダメや、もっと柔らかいのでないと食べれんよ、ほら、こんな色のやつ、触ってみさし！と。たしかに柔らかいし色も黒っぽい。その辺にあるのはなんか黄色くて所々黒かったり、ゴワゴワしてるけど、これ！というやつはくにゃんといかにも柔らかく美味しそう。
もう私ら沢山とったからあんまり落ちとらんよ、寒いから海の中に入らんと！あんたまだこんな仕事覚えなくていいのよ！と言われながらも藻の中をめくってると、ベテランのりこさんが拾っては私の袋に入れてくれて、これどうですか？それならよし！と見てもらっては私も拾って、結構たくさんになった。
もう私らはバケツに３杯もとったし！と最後にはお2人が沢山分けてくれて、拾ったのより貰ったのの方が多いくらいになった。能登の人はほんとに優しい。ありがたや。

さて、カジメは能登の冬の味覚、冬の大きな楽しみ。
能登に来て初めて食べたもののひとつで、これが本当に美味しいのです。
刻んでお椀に入れて、熱々のお味噌汁を上から注ぐと、綺麗な緑色になって、ネバネバして、歯応えはジャキジャキ、ほんのり苦味と海の味がして、どろりとしたこのかじめのおつゆ、大好き。干したやつは粘りがなくなってしまうけど、戻して煮たのもまた違った美味しさで大好き。刻んで冷凍しておいて、その都度食べる分だけお椀に入れてお汁にしてもいいし、使い勝手も良い。かじめが冷蔵庫にも冷凍庫にもどっさりあるのを見ると、本当に豊かなところに来たなぁと、なんとも幸せ感じます。

大寒波襲来、吹雪、大荒れの海の後にはかじめがまたどっさり寄るだろう。そして岩海苔も生えているだろう。楽しみにしばしおうちでのんびり、乗り切りましょう。
皆様もどうぞあったかく、美味しいもの食べて過ごしてください。あ！冷凍カレー全国発送してますので。お外に出られない日、お家でスパイス補給、ぜひぜひ。

ちか